おいしいお茶の入れ方


高級緑茶ほど、ぬる目の湯で時間をかけ、しかも湯の量を少なくしていれる。高級緑茶の役割は、その優雅な風味により人生に楽しみを与えるものであり飲むというより鑑賞するものである。ぬる目の湯が使われるのは苦渋味のあるタンニンの溶出を抑えて、アミノ酸類のうま味、甘味を十分発揚させるためである。
一方、並緑茶は、日本人の生活の中で、食後や渇きを癒す場で使用されることが多い。食後の口の中をさっぱりさせ、清涼感を与えることが期待されている。並緑茶は、もともと、うま味、甘味成分であるアミノ酸類を多く含んでいない。熱湯で湯量も多目にして、あっさりと爽快な渋味を発揮 
では、お茶を美味しく入れるにはいくつかのポイントがあります。お茶をおいしく入れるには、これらを踏まえて次の7つのポイント1.お茶の葉の量、2.湯量、3.湯温、4.煎出時間、5.注ぎ方、6.最後の一滴、7.水、が重要なキーワードです。

 1.茶の葉の量
 基本的に一人につき2g、上・中級煎茶なら2、3人分を入れる場合、1人分3gを目安とします。ただし、自分1人だけで飲みたい場合は、少し多め(5g位)に入れましょう。
また、10人位分を入れる場合には計算上30gとなりますが、20g程度でもおいしく入れられます。

 2.湯   量
   次に、お湯の量ですが、例えば、3人前入れる揚合、湯呑み茶碗3個を使って計算します。それぞれの湯呑みにお湯を8分目ほど入れます。

 3.湯   温
 おいしいお茶を入れるのに際して、水の温度は重要な点となる。なぜならば、温度が滋味(味)に影響するためである。カフェインは、温度が高いと短時間で溶出し、タンニン(カテキン)の溶出は温度と浸出時間の影響を受ける。アミノ酸類は温度が低い場合でも時間が経過すればその量は増加する。
  お湯の温度は高いほど、苦・渋味が出過ぎて味のバランスが悪くなりますので、お湯を冷ます必要があります。湯呑み茶碗を使うことで、計量器と湯冷まし、そして湯呑み茶碗を予め温めておく三つの役目を同時に行うことができます。
  例えば、ポットの揚温が90度位、湯呑みで80度位、急頒に移すと70度位という具合に適度な湯温となるわけです。ただし、夏と冬とでは下がり方がだいぶ異なります。
特に上級煎茶の場合、湯呑みや急須を手のひらに持っていただいて、持ち続けられる程度まで湯温が下がっていたら入れ頃だと思います。

4.煎 出 時 間
  お茶の種類にもよりますが、おいしく入れるのに40〜60秒位が最適と思われます。
  なお、「深蒸し茶」は煎出しやすいので普通の煎茶の場合より時間を少し短めにする必要があります。

5.注 ぎ 方
  湯呑み茶碗3個に注ぎ分ける場合、それぞれの湯呑みのお茶の濃さと湯茶の量が同じになるように注ぎ分けることが肝要です。それには各湯呑みに少しずつ数回に分けて注ぎ分けます。これを、「廻し注ぎ」といいます。

6.最後の一滴
  注ぎ方の心得の中で肝心なことは「最後の一滴」まで注ぎきることです。注ぎきることによって急須の中に、お湯を残さないことが、後の二煎目をおいしく入れる秘訣でもあります。また、注ぎきったら急須のふたを開けて息を抜いておきましょう。
  最初に、湯呑み茶碗で8分目位のお湯を使ってお茶を入れると、最終的には7分目程度のお茶が出来るわけです。

7.水
  水質の浸出液に対する影響は微妙なものであるが、よく水を煮沸することにより影響の心配はなくなる。また、日本の水の硬度は全般的に低く、軟水であるため、硬度による影響の心配は少ないが、水道水中の塩素が問題となる。家庭で水道水を用いて茶を入れる場合は、一晩水道水を汲み置きし、その後3分以上はよく煮沸させて適温まで冷まして使用するのが好ましい。また、浄水器を使用している水を茶に用いる場合も、少し煮沸させて入れると安心である。

各種緑茶の標準的な入れ方

茶  種 人数(人) 茶量(g) 湯温(℃)

湯量    (ml)

浸出時間(秒)

1人分の量(ml)

玉  露 3  9   50  60  90 16 
高級煎茶 3  9   60  120    90  35 
上煎茶 3  6   70 170  60 50 
並煎茶 5 10  90 450  60 80 
番 茶 5 15  100 650  30 120 
ほうじ茶 5 15  100 650   30  120 

 

 


 

  「入賞茶」の煎れ方 (2〜3人分)

1.湯の用意 軟水(水道水でも構いません)を5分以上沸騰させて下さい。
2.60cc前後のお湯を60〜45℃まで冷まします(湯気が小さく上がる程度)
3.急須にお茶10g位を入れます。
4.お湯は円を描くようにゆっくり注いで下さい。
5.茶葉が少し開きかけてきたら(約1分)茶碗にゆっくりと均等に最後の一滴まで注ぎ出して下さい。

二煎目は湯量も少し多めに、湯温は60℃位に浸出時間は20秒位で煎れてください。
三煎目、四煎目も温度を高くしながらお試し下さい。

温度変化の少ない涼しい場所で保管し、開封後はなるべく早くお召し上がり下さい。



 

「崚」の煎れ方 (2〜3人分)

1.湯の用意 軟水(水道水でも構いません)を5分以上沸騰させて下さい。
2.約60〜80ccのお湯を60〜45℃まで冷まします(湯気が小さく上がる程度)
3.急須にお茶10g位を入れます。
4.お湯は円を描くようにゆっくり注いで下さい。
5.茶葉が少し開きかけてきたら(約1分)茶碗にゆっくりと均等に最後の一滴まで注ぎ出して下さい。

二煎目は湯量も少し多めに、湯温は60℃位に浸出時間は20秒位で煎れてください。
三煎目、四煎目も温度を高くしながらお試し下さい。

温度変化の少ない涼しい場所で保管し、開封後はなるべく早くお召し上がり下さい。


 

「誉」の煎れ方 (2〜3人分)

1.湯の用意 軟水(水道水でも構いません)を5分以上沸騰させて下さい。
2.約60〜80ccのお湯を60〜45℃まで冷まします(湯気が小さく上がる程度)
3.急須にお茶10g位を入れます。
4.お湯は円を描くようにゆっくり注いで下さい。
5.茶葉が少し開きかけてきたら(約1分)茶碗にゆっくりと均等に最後の一滴まで注ぎ出して下さい。

二煎目は湯量も少し多めに、湯温は60℃位に浸出時間は20秒位で煎れてください。
三煎目、四煎目も温度を高くしながらお試し下さい。

温度変化の少ない涼しい場所で保管し、開封後はなるべく早くお召し上がり下さい。



 

「紗」の煎れ方 (2〜3人分)

1.湯の用意 軟水(水道水でも構いません)を5分以上沸騰させて下さい。
2.約60〜100ccのお湯を45〜60℃まで冷まします(湯気が小さく上がる程度)
3.急須にお茶10g位を入れます。
4.お湯は円を描くようにゆっくり注いで下さい。
5.茶葉が少し開きかけてきたら(約1分)茶碗にゆっくりと均等に最後の一滴まで注ぎ出して下さい。

二煎目は湯量も少し多めに、湯温は60℃位に浸出時間は20秒位で煎れてください。
三煎目、四煎目も温度を高くしながらお試し下さい。

温度変化の少ない涼しい場所で保管し、開封後はなるべく早くお召し上がり下さい。

 



 

「和」の煎れ方 (2〜3人分)

1.湯の用意 軟水(水道水でも構いません)を5分以上沸騰させて下さい。
2.約80〜120ccのお湯を45〜70℃まで冷まします(湯気が小さく上がる程度)
3.急須にお茶8g位を入れます。
4.お湯は円を描くようにゆっくり注いで下さい。
5.茶葉が少し開きかけてきたら(約50秒)茶碗にゆっくりと均等に最後の一滴まで注ぎ出して下さい。

二煎目は湯量も少し多めに、湯温は75℃位に浸出時間は15秒位で煎れてください。
三煎目、四煎目も温度を高くしながらお試し下さい。

温度変化の少ない涼しい場所で保管し、開封後はなるべく早くお召し上がり下さい。

 



 

「華」の煎れ方 (2〜3人分)

1.湯の用意 軟水(水道水でも構いません)を5分以上沸騰させて下さい。
2.約80〜150ccのお湯を65〜75℃まで冷まします(湯気が小さく上がる程度)
3.急須にお茶8g位を入れます。
4.お湯は円を描くようにゆっくり注いで下さい。
5.茶葉が少し開きかけてきたら(約50秒)茶碗にゆっくりと均等に最後の一滴まで注ぎ出して下さい。

二煎目は湯量も少し多めに、湯温は75℃位に浸出時間は10秒位で煎れてください。
三煎目、四煎目も温度を高くしながらお試し下さい。

温度変化の少ない涼しい場所で保管し、開封後はなるべく早くお召し上がり下さい。

 



 

「あかふじ紅茶」の煎れ方 (ティーバッグ)

1.湯の用意 軟水(水道水でも構いません)を沸かす90〜95℃ぐらいが空気を多く含ので。
2.カップを先に温め、十分に温まったら湯を捨てます。
3.カップに湯を入れティーバッグを入れる。
4.カップ&ソーサーを使い蓋をして蒸らします。2〜3分。
5.十分に浸出したら水気を切りながらティーバッグを引き上げ出来上がり。




「あかふじ紅茶」水出しの煎れ方 (ティーバッグ)

水1リッターに対し10から15グラム(3gのティーバッグ3個から5個)を入れて冷蔵庫に5時間ぐらいで出来上がり。
(薄い場合は撹拌してください)(容器が深い場合はタグは外した方がいいかもしれません。)

手間をかけると味が変わる。
*ティーバッグから茶葉を取り出し、多めの茶葉を容器に直接入れ(バッグを外すと味と色が格段に良くなります)茶葉が水となじむように少しかき回した後、常温で5時間(直接冷蔵庫より香りが少しよくなります)、赤色が濃くなったら別の容器に茶こしを使い移し替えのちに冷蔵、氷などで冷やしてお楽しみください。
*バッグは1リッターに対し15gぐらいがいいかな、色も濃く。氷を入れたいりするのであれば茶葉は少し多めに、